AI導入コンサルの費用は、各社の公開価格の例でスポット相談が1回60分5万円、顧問が月5万〜30万円、導入プロジェクトが90日で45万円から(いずれも税別・2026年10月時点)です[1][2][3]。金額の幅はスポット相談・顧問・導入プロジェクト・研修という支援の形態でほぼ決まります。

AI導入コンサルの見積を並べても判断がつかないのは、同じ「AI導入支援」という名前でも、1回きりの相談と半年がかりの業務の作り替えとでは、相手に頼む仕事の量がまるで違うからです。AX総合研究所が2026年10月24日に調べた範囲では、AI導入支援の料金を集計した公的な統計は見つかりませんでした。そこでこの記事では料金を公式サイトに掲げる会社の例と、補助金・助成金の一次資料だけで目安を組み立てます。

「補助金を使えばコンサル料が下がる」という説明は、研修と登録ITツールに付く導入コンサルティングには当てはまり、月々の顧問料や都度の相談料には当てはまりません。どの支出が減り、どれが減らないのかは、後半で制度の原文に照らして見極めます。

AI導入コンサルの支援形態は4つ(スポット相談・顧問・導入プロジェクト・研修)

AI導入コンサルの外部支援はスポット相談・顧問・導入プロジェクト・研修の4つの形態に分かれます。どの形態を選ぶかは、社内で手を動かせる人がいるかどうかで決まります。

スポット相談はその都度「この業務にAIは使えるか」「どのツールを契約すべきか」へ答えてもらう形です。問いが絞れている時期なら、出費は最小で済みます。株式会社Mesutのように、継続の縛りを設けず、都度払いで応じる例も見られます[3]。

無料のスポット相談には、公的な窓口のよろず支援拠点があります。よろず支援拠点は「国が全国に設置した無料の経営相談所」で、課題の大小を問わず何度でも無料で相談できます(全国本部は独立行政法人中小企業基盤整備機構)[7]。AIの使いどころを最初に探る段階なら、有料の相談より先に訪ねる意味は十分です。

顧問は定例の打ち合わせとチャットでの問い合わせを月額で受ける形です。迷ったときに聞ける相手を手元に置く取り決めで、作業まで含むかどうかは提供元によって異なります。株式会社BoostXでは、中位のプランから毎月1件の小規模な構築が付きます[1]。一方、AX総合研究所のAI顧問は判断と助言に絞り、資料づくりや設定作業は受け持ちません。

導入プロジェクトは業務の棚卸しからデータの置き換え、自動化までを外部の手で進める形です。期間も範囲も案件ごとに違うため、個別見積の事業者が目立ちます。株式会社SalesDockのように90日間の内製化支援を定額で示す例[2]や、BoostXのように訪問を組み込んだ伴走を月額で打ち出す例[1]も見つかります。

研修は社員が自分でAIを扱えるようにする形です。価格は時間数と人数で上下します。残る3形態と違い、要件を満たせば国の助成金で経費の一部が助成されます[5]。

AI導入コンサルの4形態は組み合わせられます。AX総合研究所はスポット相談で対象の業務を決め、研修で社内に使い手を育て、最後に顧問で相談先を残す順につなげる進め方がよいと考えます。

AI導入コンサルの費用相場(公開価格の例・2026年10月時点)

公開価格の例では、スポット相談が無料(よろず支援拠点)〜1回5万円、顧問が月5万〜30万円、導入プロジェクトが90日45万円から、研修が33万円から(税込・BoostX)です[1][2][3][7]。

表1 支援の形態と公開価格の例

形態

買うもの

公開価格の例

契約の条件

スポット相談

1回ごとの判断材料

無料(よろず支援拠点)[7]/1回60分5万円・税別(Mesut)[3]

都度払い・継続の縛りなし[3]

顧問

定例と随時の相談

月5万円・税別(SalesDock。導入支援の利用者限定)[2]/月8万円・税別(Mesut。月2回)[3]/月11万円・22万円・33万円・税込(BoostX。Light/Standard/Growth。構築はStandardから月1件)[1]/月30万円・税別(AX総合研究所)

6か月から[2]/3か月から[3]/3か月から・以後毎月自動更新(BoostX)[1]/最低期間なし・終了は1か月前に連絡(AX総合研究所)

導入プロジェクト

業務の作り替えの作業

初期15万円+月10万円から・税別・90日(SalesDock)[2]/月55万円から・税込・月2日訪問(BoostX)[1]/個別見積(AX総合研究所)

90日[2]から6か月以上(AX総合研究所の推奨)

研修

社員が使える状態

33万円から・税込(BoostX)[1]/受講者1人20万円・税別・標準3時間×4回(AX総合研究所)

人数と時間で変わる

表1は2026年10月24日に各社の公式サイトで拾った事例で、市場の平均ではありません。料金を伏せている事業者の水準は、ここから読めません。

比べるときは、まず税の表記をそろえます。BoostXは税込表示、SalesDock・MesutとAX総合研究所のAI顧問は税別表示です[1][2][3]。税込11万円を税抜きに換えると10万円で、Mesutの月8万円(税別)との差は月2万円です[1][3]。

月額の顧問料は年額に直して並べます。月額の安さを眺めるだけでは、年間の支出を読み違えるからです。

表2 月額を12か月分に換算した金額(2026年10月時点)

例

月額

12か月の合計

スポット相談を毎月1回(Mesut)[3]

5万円・税別

60万円・税別

顧問・月2回(Mesut)[3]

8万円・税別

96万円・税別

顧問・Light(BoostX)[1]

11万円・税込

132万円・税込

顧問・Standard(BoostX)[1]

22万円・税込

264万円・税込

顧問・週1回(AX総合研究所)

30万円・税別

360万円・税別

表1・表2の顧問料に、AIツールの利用料は含まれません。SalesDockは価格をすべて税別とし、ツール利用料は別途としています[2]。BoostXも、AIツールの利用料は料金に含まないと明記しています[1]。ツール代は提示額とは別に予算を立てます。

AI導入コンサルには見積書に出てこない自社の人手の時間もかかります。打ち合わせへの同席、業務の説明、現場の入力方法の変更には、担当者と現場の時間が要ります。外部に払う金額には、自社側で進める作業の量が反映されていません。誰が週に何時間を割けるかを申し込みの前に書き出しておきます。見積額と同じ表に並べておけば、比較の条件がそろうからです。

AI導入コンサルの見積書で確認する7項目

AI導入コンサルの見積書では税の表記・最低契約期間・作業の範囲・AIツールの利用料・訪問・手元に残るもの・制度の書類の7項目を確かめます。同じ月額でも、判断を伝えるだけの取り決めと、資料や設定まで作る取り決めとでは、社内に残る仕事の量は同じになりません。7項目は2社以上に同じ形で問い合わせます。

各社へ送る依頼文には次の5つを書きます。

  1. 対象にしたい業務の名前
  2. 関わる人数
  3. いま使っているツール
  4. 希望する期間
  5. 予算の上限

同じ依頼文を各社へ送れば、返ってくる金額の差を、そのまま範囲の差として読み取れます。

表3 見積書で確認する7項目

項目

確認すること

抜けていると起きること

税の表記

税込か税別か

税込と税別の金額を同じ列で比べてしまう

最低契約期間

何か月からか、解約は何か月前に伝えるか

合わないと分かっても数か月分を払い続ける

作業の範囲

助言だけか、資料作成・設定・実装まで含むか

顧問料に含まれると思っていた作業が別見積になる

AIツールの利用料

誰が契約し、誰が払うか

見積の外で毎月の支出が発生する

訪問

月何回か、交通費は別か

地方の拠点では交通費が後から加わる

手元に残るもの

棚卸し表・手順書・設定ファイルなど

契約が終わると社内に何も残らない

制度の書類

研修の計画届の添付書類を出せるか、IT導入支援事業者か

補助金や助成金を使うつもりが、申請の段階で使えないと分かる

見積書の作業の範囲は書き方しだいで読み違えやすい項目です。BoostXは「構築1件」を指示文や作業手順、軽い自動化などの小規模な実装とし、基幹システム連携など規模の大きい開発は別見積として扱います[1]。こうした上限の記載がない見積書なら、「議事録の自動化は含まれますか」のように具体的な作業名で質問してください。

最低契約期間も提供元ごとに異なります。SalesDockのAI顧問は6か月契約から[2]、Mesutの継続顧問は3か月から[3]、BoostXのAI顧問は最低3か月で以後は毎月自動更新です[1]。AX総合研究所のAI顧問には最低契約期間がなく、終了の連絡は1か月前までです。最初の3か月で手応えがなかったときの支払総額を先に割り出しておけば、社内の説明で反対が出にくくなります。

研修を助成金の対象にするなら、提出書類も見積の段階で点検します。厚生労働省は2026年5月14日付けの支給要領改正で、支給申請の際に「受講料等の価格設定に関する疎明書(様式第28号)」を出すよう求め始めました[4]。助成金を使う会社にだけ高い受講料を示す価格設定では、差額分が支給の対象から外れます[5]。通常の受講料と同額で提示されているかを、研修会社に尋ねます。

「実質無料」という勧誘には用心が要ります。助成は経費の一部にとどまります。厚生労働省は「『訓練経費』は無料になりません」と題した資料を出しました[8]。その資料は後からのキャッシュバックや返金を伴う提案を、不正受給につながる例として挙げています[8]。デジタル化・AI導入補助金も補助率は原則2分の1以内なので[6]、自己負担がゼロになる組み方はありません。

AI導入コンサルの費用は補助金・助成金で下がるか

下げられるのは、研修と、登録済みのITツールに付く導入コンサルティングの2つです。月々の顧問料や都度の相談料は、人材開発支援助成金とデジタル化・AI導入補助金のどちらでも原則として対象外です。

表4 支出ごとに使える制度(2026年10月時点)

支出

使える制度

下がる割合

主な条件

社員向けのAI研修

人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)

中小企業は経費の75%(上限あり)と、賃金1人1時間1,000円[5]

職務に直結する10時間以上のOFF-JT。計画届は訓練開始日の6か月前から1か月前までに提出[5]

コンサルタントによる指導

人材開発支援助成金では対象外[5]

なし

研修として独立させた部分だけが候補

登録ITツールと導入コンサルティング・導入研修

デジタル化・AI導入補助金(通常枠)

原則2分の1以内・5万〜450万円[6]

IT導入支援事業者と申請。交付決定前の発注は対象外[9]

顧問料・スポット相談

上の2制度では原則対象外

なし

ITツールに付く活用コンサルティングとして申請する場合を除く[6]

事業展開等リスキリング支援コースは、令和8年度末(2027年3月31日)までの期間限定の助成金です(2026年10月時点)[5]。計画届は訓練開始日の6か月前から1か月前までに出すため、年度内に始める研修から逆算して申し込みます。

AI研修の費用は事業展開等リスキリング支援コースで下げられます。中小企業の経費助成率は75%で、受講中の賃金にも1人1時間1,000円が出ます[5]。助成の対象は雇用保険の被保険者のため[5]、雇用保険に入っていない役員は対象になりません。AX総合研究所のAI研修(受講者1人20万円・税別、税込22万円)に当てはめると、要件を満たして支給された場合の経費助成は1人あたり16万5,000円です(経費助成の上限は、中小企業で10時間以上100時間未満の訓練なら1人30万円)[5]。

2026年8月3日以降に提出する計画届から、条件が厳しくなりました(経過措置あり)[5][10]。職務に間接的にしか要らない知識や、職種を問わず共通して必要な内容の訓練は、DX化に関するものでも助成の対象外です[10]。厚生労働省は、営業担当者が生成AIで商品提案書の構成案作成・文章生成・修正方法を学ぶ訓練を、助成対象の例に挙げました[10]。汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練は、対象外の例です[10]。改正後の要件はAI研修の助成金の記事で詳しく扱いました。

コンサルティングの費用は、人材開発支援助成金では下がりません。厚生労働省のパンフレットには既存のアプリやシステムの操作方法を覚えるだけの訓練と、コンサルタントによる指導は対象にならない、とあります[5]。導入プロジェクトの見積に「研修」の行があるなら、その行だけが助成の候補です。この部分を10時間以上の独立した訓練として組めるかを、発注前に講師側へ問い合わせます。

デジタル化・AI導入補助金の通常枠は、ソフトウェア購入費かクラウド利用料が必須です。そこへ役務として、導入コンサルティング・活用コンサルティングや導入研修を加えられます[6]。ただし、未登録のITツールでは交付申請ができません[11]。ITツールとして登録されていないサービスを自社で直接契約した利用料と、ITツールを伴わないコンサル会社への支払いは、この補助金では申請できません[11]。

デジタル化・AI導入補助金は、契約の時期にも制約があります。交付決定の前に発注・契約・支払いを済ませると、補助金の交付を受けられません[9]。コンサル会社と先に契約を結んでしまうと、同じ内容でも補助の対象から外れます。通常枠の締切は、2026年10月24日時点で6次締切が10月30日(金)17時、7次締切は日付未公表です[12]。

人材開発支援助成金もデジタル化・AI導入補助金も後払いです。入金までの流れは次のとおりです[5][9]。

  1. 研修費やコンサル費を、いったん全額自社で支払う
  2. 人材開発支援助成金は訓練が終わった翌日から2か月以内に支給申請を出し、デジタル化・AI導入補助金は事業の完了後に発注・納品・支払いの証憑を出す
  3. 労働局や事務局の審査を経て、助成金・補助金が振り込まれる

入金までの数か月分を、資金繰り表に先に書き込んでおきます。

制度の全体はデジタル化・AI導入補助金2026の要点、申請の相手の探し方はIT導入支援事業者の記事にまとめました。研修の形式別の価格はAI研修の費用相場で試算しました。

最初に決めるのは形態と期間です

AI導入コンサルを頼む前に、社内にAIを使った作業を自分で進められる人がいるかを確かめ、それで支援の形態を決めます。

表5 社内の状況別に選ぶ支援の形態

社内の状況

選ぶ形態

費用の例(2026年10月時点)

自分で進められる人がいる

スポット相談・顧問

1回5万円〜月30万円・税別[2][3]

進められる人がいない

導入プロジェクト

90日45万円から・税別[2]

使い手を増やしたい

研修

1人20万円・税別(AX総合研究所)など

進められる人がいない場合の導入プロジェクトは、作業ごと任せる形で、期間は数か月単位です。業務の棚卸しから作り替えまでを頼む場合の進め方は、AI導入コンサルティングのページに3段階で載せました。使い手を増やすことが先なら研修を選びます。研修が助成金の要件を満たし支給が決まれば、中小企業は経費の75%(上限あり)が助成されます[5]。

形態が決まったら、表3の7項目をそろえた条件で2社から見積を取ります。自社がどの段階にいるかは、6問・1分のAI活用度診断で測れます。個別の相談の窓口は無料相談です。

※料金と制度の内容は2026年10月24日時点のものです。料金は改定されることがあり、補助金・助成金の要件は年度の途中でも変わります。契約や申請の前に、各社と事務局・労働局で最新版をご確認ください。

参考文献・出典

  1. AI顧問|月額11万円から・毎月1業務をAI化 — 株式会社BoostX(参照 2026-10-24)
  2. AI顧問・AI内製化|月額料金・相場と支援内容 — 株式会社SalesDock(参照 2026-10-24)
  3. AI顧問-非エンジニアから教わるAIコンサルティングサービス — 株式会社Mesut(参照 2026-10-24)
  4. 人材開発支援助成金 — 厚生労働省(参照 2026-10-24)
  5. 令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内(令和8年8月3日版) — 厚生労働省(参照 2026-10-24)
  6. 通常枠|デジタル化・AI導入補助金2026 — 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局(参照 2026-10-24)
  7. よろず支援拠点とは — 独立行政法人中小企業基盤整備機構 よろず支援拠点全国本部(参照 2026-10-24)
  8. 「訓練経費」は無料になりません — 厚生労働省(参照 2026-10-24)
  9. 交付決定後の手続き — 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局(参照 2026-10-24)
  10. 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)改正:令和8年8月3日からの変更点について — 厚生労働省(参照 2026-10-24)
  11. ITツールの登録申請 — 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局(参照 2026-10-24)
  12. スケジュール|デジタル化・AI導入補助金2026 — 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局(参照 2026-10-24)