WordPress以外の選択肢はノーコード作成サービス(STUDIO・ペライチなど)、クラウド型の別のCMS(MovableType.net)、静的サイト、ヘッドレスCMSと静的サイトの組み合わせの4つで、毎月の費用は0円から16,500円(税込)です(2026年10月23日時点)[1][3][4]。どれも、WordPress本体・プラグイン・PHP(WordPressを動かすプログラム言語)の更新を自社で抱えずにホームページを公開する方法です。

CMSを判別できた日本語サイトのうち、82.9%がWordPressを使っています(W3Techs、2026年10月24日時点)[5]。WordPressがそれだけ使われていても乗り換えを考える会社が出てくるのは、本体・プラグイン・PHPの更新が止まると、そこが攻撃の入口になるからです。2026年10月22日には、遠隔の第三者に任意のコードを実行されるおそれがあるPHPの脆弱性(PHP2shell)について、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が注意喚起を出しました[21]。

4つの選択肢の違い(更新を誰が引き受けるか)

4つの選択肢の違いは、サーバーとソフトウェアの更新を誰が引き受けるかにあります。WordPressでは、レンタルサーバー会社がサーバーを、サイトの持ち主か保守会社がWordPress本体・プラグイン・PHPを更新します。WordPress以外の4つの選択肢は、WordPress本体・プラグイン・PHPの更新を持ち主の手から外す方法です。

表1 WordPress以外の4つの選択肢(2026年10月23日時点)

選択肢

代表例

更新を引き受けるのは

向いている会社

ノーコード作成サービス

STUDIO、ペライチ、ジンドゥーAI ビルダー(Jimdo)、Wix

サービス提供会社

社内の担当者が画面上で文章や画像を直したい

別のCMS(クラウド型)

MovableType.net

サービス提供会社

ブログやお知らせを頻繁に書き、CMSの使い勝手は残したい

静的サイト

HTMLを直接、またはAstro・Hugoで生成

更新するソフトウェアがない

更新は年に数回で、外部に頼んでもよい

ヘッドレスCMS+静的サイト

microCMS+Astroなど

CMSの提供会社(入力画面のみ)

お知らせは社内で書きたいが、サイト本体は静的にしたい

IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン 第4.0版」は、ウェブサイトの運営形態を3つに分けています(p54 表6)[6]。レンタルサーバーやクラウド(PaaS)を使う場合、自社で行うのはウェブサイトの構築・運用面の対策です。外部サービスに一括して任せる形(ASP)なら、自社で更新するのはコンテンツと認証情報の管理だけです。WordPressを自社で運用すると、構築・運用面の対策にWordPress本体とプラグインの更新が入ります。

ノーコード作成サービスの月額

ノーコード作成サービスの月額は、STUDIOが590円から(年払い)、ペライチが1,628円から(税込)、ジンドゥーAI ビルダーが1,720円から(税込)です(2026年10月23日時点)[1][2][9]。ノーコード作成サービスは管理画面で部品を並べてページを作り、サービス側のサーバーで公開する方法で、更新もサーバーの管理もサービス提供会社が行います。

表2 主なノーコード作成サービスの月額(2026年10月23日時点の公式サイト掲載)

サービス

月額

税

独自ドメイン

AIからの操作(MCP:AIツールから外部サービスを操作する接続の規格)

出典

STUDIO

Mini 590円/Personal 1,190円/Business 3,980円/Business Plus 9,980円(年払い。月払いは1,290円〜12,900円)

表記なし

有料プランで接続可

公式の提供は確認できず

[1][7]

ペライチ

ライト 1,628円/レギュラー 3,278円/ビジネス 4,378円/プロフェッショナル 7,678円(月契約)

税込

ライト以上、またはオプション(月550円・税込)で利用可

公式の提供は確認できず

[2][8]

ジンドゥーAI ビルダー(Jimdo)

START 月1,720円(年契約は年15,480円)/GROW 月2,720円(年契約は年24,840円)。いずれも初回価格で、更新時はドメイン利用枠(月220円・年2,110円)が加わる

税込

有料プランで利用可

公式の提供は確認できず

[9]

Wix

地域で異なり、円建ての金額は公式ページで要確認

表記なし

有料(プレミアム)プランで接続可。無料プランは不可

公式のMCPサーバーあり

[10][22][23]

STUDIOはPersonalプランも事業目的で使えると案内しています[7]。ノーコード作成サービスにはサーバー代も保守費もかからず、社内の担当者が自分で文章を直せます。

ノーコード作成サービスの弱点は別のサービスへの引っ越しです。ページはサービスの部品で組まれているため、移るときは作り直しになります。料金の改定もサービス側が決めます。ジンドゥーAI ビルダーは2026年に有料プランの価格を改定し、STARTの年額は11,880円から15,480円になりました[11]。

別のCMS(MovableType.net)が合う会社と月額

別のCMSが合うのは、WordPressの管理画面で記事を書く運用を続けたい会社で、クラウド型のMovableType.netなら月額3,850円から(税込)です(2026年10月23日時点)[3]。ソフトウェアの更新はサービス提供会社が行います。

MovableType.netは、シックス・アパート株式会社が提供するクラウド型のCMSで、月額はエントリー3,850円、ビジネス7,700円、エンタープライズ16,500円(税込・月払い)です。年払いならエントリーは年38,500円(月あたり3,208円)です[3]。WordPressからの移行はデータ移行のみで55,000円から、既存のデザインを引き継ぐ場合は275,000円からと案内しています(税込)[12]。

MovableType.netのエントリー3,850円(税込)は、ペライチのライト1,628円(税込)の約2.4倍です[2][3]。その代わり、記事の分類や一覧ページの作り方はWordPressに近く、毎週お知らせやブログを書く会社では、運用を大きく変えずに済みます。

静的サイトの毎月の費用

静的サイトの毎月の費用は配信サービスの無料プランを使えばドメインの更新料だけにできます(2026年10月23日時点)[4]。静的サイトとはページをあらかじめHTMLのファイルとして作っておき、そのまま配信するホームページです。サーバーでプログラムを動かさないため、更新すべきソフトウェアが残りません。AstroやHugoのような静的サイトジェネレーター(ページのファイルをまとめて書き出す道具)[14]を使えば、共通のヘッダーやメニューを1か所で管理できます[13]。WordPressから静的サイトに移す仕組みと、向かないサイトの見分け方はWordPress静的化とは?仕組みと向き不向きにまとめています。

配信サービスの無料プランの条件はサービスごとに大きく違います。

表3 静的サイトを公開できる主な配信サービスの無料プラン(2026年10月23日時点)

サービス

会社サイトでの利用

主な条件

出典

Cloudflare(Pages/Workers)

料金・上限のページに商用利用の制限の記載なし

静的ファイルへのリクエストは無料・無制限。ビルドは月500回、ファイルは20,000個まで。Cloudflareは新しく作るサイトにはWorkersを勧めている(Workersの無料プランも静的ファイルは1バージョン20,000個まで)

[4][15][18][27]

Netlify

料金ページに商用利用の制限の記載はない(利用条件の本体は Self-Serve Subscription Agreement で要確認)

月300クレジットの上限。超えると翌月まで全サイトが停止し「Site not available」と表示

[16][24]

Vercel(Hobby)

不可。個人の非商用利用に限る

商品やサービスの宣伝は商用にあたると明記。会社サイトはProプラン(月20ドルから。開発者の人数で増える)以上

[17][25]

会社のホームページを無料で出すなら、表3ではCloudflareが条件に合います。Vercelの無料プランは会社サイトには使えません[17]。Netlifyは使えますが、上限を超えると翌月の請求期間が始まるまで、そのチームのすべてのサイトが表示されなくなります[16]。

静的サイトでもお問い合わせフォームは置けます。送信を受ける部分だけを小さなプログラムで動かす方法で、Cloudflare Workersの無料プランなら1日10万リクエスト(日本時間の午前9時に回数が戻る)まで扱えます[18]。お問い合わせが1日数件の会社サイトでは届かない量です。

静的サイトの弱点は社内で文章を直しにくいことです。1行直すにも、ファイルを書き換えて公開し直す作業が要ります。更新が年に数回で、制作会社か外部の担当者に頼む前提の会社に向いています。

お知らせだけを社内で書くならヘッドレスCMS+静的サイト

お知らせだけを社内で書きたい会社は、ヘッドレスCMS(記事の入力画面とデータの保管だけを受け持つCMS)と静的サイトを組み合わせると、サイト本体の更新を抱えずに済みます。ヘッドレスCMSを使う場合、ページの表示は静的サイト側の仕事です。社内の担当者は入力画面でお知らせを書き、公開ボタンを押すと静的サイトが作り直されます。

国内のヘッドレスCMSのmicroCMSは、無料のHobbyプランを法人のウェブサイトでも利用できると案内しています。ただし、データ転送量が月20GBを超えるとAPIがすぐに止まる制約があります[19][20]。有料のTeamプランは月4,900円から(税抜)です[19]。microCMSは公式のMCPサーバー(AIツールから外部サービスを操作するための接続口)をベータ版として公開しており、ClaudeなどのAIツールから記事を作成・更新できます(2026年10月時点)[26]。

AX総合研究所の公式サイト(ax-souken.com)も、AstroとmicroCMSの組み合わせで作っています。記事はmicroCMSで書き、公開すると静的なページが作り直されます。サーバーにはPHPもデータベースもなく、WordPress本体やプラグインのように公開中のサーバーで更新し続けるソフトウェアはありません。ページを作る道具(Astro)の更新は、サイトを作り直すときにまとめて行います。

乗り換える前に確かめること

乗り換える前に確かめることは、ドメイン、メール、今のサイトの機能の3つです。

  1. ドメインの名義と、管理画面にログインできるか。ホームページのアドレス(例: 〇〇.co.jp)は、ドメインの管理画面で向き先を新しいサービスに切り替えれば引き継げます。制作会社の名義で取得されていて自社ではログインできない場合は、移管が要ります
  2. 会社のメールがレンタルサーバーの契約に含まれていないか。含まれている場合、サーバーを解約するとメールまで止まります。ホームページだけを移し、メール用の契約は残すのが安全な順番です
  3. お問い合わせフォーム・資料ダウンロード・採用応募・地図など、ページの中で動いている機能の一覧。乗り換え先で同じことができるかを確かめる材料になり、見積もりを頼むときの資料にもなります

自社に合うのはどの選択肢か

社内の担当者が週に1回以上更新するならノーコード作成サービスか別のCMS、お知らせだけを月に数回書くならヘッドレスCMS+静的サイト、外部に頼んで年に数回なら静的サイトが合います。もう1つの問いは、予約や決済のように訪問者ごとに中身が変わる機能が要るかです。

表4 更新の担い手と頻度で選ぶ

更新の担い手と頻度

合う選択肢

毎月の費用の目安(2026年10月23日時点)

社内の担当者が、週に1回以上

ノーコード作成サービス、別のCMS

590円(年払い)〜16,500円(月契約)[1][3]

社内の担当者が、お知らせだけを月に数回

ヘッドレスCMS+静的サイト

0円〜(microCMSのHobbyと配信の無料プラン)[4][19]

外部に頼んで、年に数回

静的サイト

0円〜(ドメイン代と、外部に頼む更新費は別)[4]

会員ログイン、ネットショップ、予約システムが要るなら、静的サイトは向きません。ネットショップならその専用サービスを、予約なら予約サービスを別に契約し、会社サイトからリンクする形を検討してください。会社案内のページまで、訪問者ごとに中身が変わる仕組みにしなくても済む場合がほとんどです。

WordPressのままにする選択も残ります。更新を続ける人手か保守費を用意できるなら、移る必要はありません。保守費の相場と、契約で確かめる点はホームページ保守費用の相場と内訳にまとめています。

まとめ

自社の会社サイトについて、更新している人と、去年1年で更新した回数を書き出してください。週に1回以上なら、ノーコード作成サービスか別のCMSが候補です。年に数回なら、静的サイトにすればサーバー代と保守費は毎月0円にでき(2026年10月時点)[4]、残るのはドメイン代と、更新を頼むときの費用です。WordPressのまま放置した場合に何が起きるかはWordPressのセキュリティリスクと防ぎ方とPHPの脆弱性2026とサポート終了版の確認に書きました。

AX総合研究所は今のWordPressのサイトを静的サイトに移す作業を提案しています。料金は、今の見た目のまま移す場合が10万円、デザインも新しくする場合が20万円で、いずれも税別の固定料金です(2026年10月時点)。料金に含むのは文章・画像の移し替え、表示の確認、公開の切り替えまでです。移行先は静的なファイルを無料プランでも無料・無制限で配信するサービス(Cloudflare)で、ホームページのサーバー代と保守費は毎月かかりません[4]。ドメインの更新料は今の登録先への支払いが続き、レンタルサーバーで会社のメールを使っている場合はメール用の契約も残ります。移行後のページの更新はAX総合研究所では行いません。作業の範囲と進め方はWordPressからの移行のサービス紹介にまとめています。無料相談でホームページのアドレスを送っていただければ、移行できるかどうかと、2つの料金のどちらに当たるかをお返事します。ネットショップ、予約システム、会員機能など訪問者ごとに中身が変わる仕組みは、2つの料金に当てはめず個別にご相談します。

※料金と条件は2026年10月23日時点で各社の公式サイトに掲載されていたものです。改定される場合があるため、契約前に各社の公式ページでご確認ください。

参考文献・出典

  1. 料金プラン — STUDIO株式会社(参照 2026-10-23)
  2. 料金・プラン一覧 — 株式会社ペライチ(参照 2026-10-23)
  3. 料金プラン — シックス・アパート株式会社(参照 2026-10-23)
  4. Pricing(Pages Functions) — Cloudflare(参照 2026-10-23)
  5. Usage statistics of content management systems for websites in Japanese — W3Techs(参照 2026-10-24)
  6. 中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン 第4.0版 — 独立行政法人情報処理推進機構(参照 2026-10-23)
  7. How to choose the right project plan — Studio Help(参照 2026-10-23)
  8. 独自ドメインのご案内 — 株式会社ペライチ(参照 2026-10-23)
  9. 特定商取引法に基づく表記 — 株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ(参照 2026-10-23)
  10. プレミアムプランを選択する — Wix.com(参照 2026-10-23)
  11. 有料プラン価格改定のお知らせ — Jimdo(参照 2026-10-23)
  12. WordPress から MovableType.net に引っ越しされたい方へ — シックス・アパート株式会社(参照 2026-10-23)
  13. レイアウト — Astro(参照 2026-10-23)
  14. Introduction — Hugo(参照 2026-10-23)
  15. Limits(Pages) — Cloudflare(参照 2026-10-23)
  16. Resume paused projects — Netlify(参照 2026-10-23)
  17. Fair Use Guidelines — Vercel(参照 2026-10-23)
  18. Limits(Workers) — Cloudflare(参照 2026-10-23)
  19. 料金プラン — 株式会社microCMS(参照 2026-10-23)
  20. Hobbyプランを法人のウェブサイトで使うことは可能ですか? — 株式会社microCMS(参照 2026-10-23)
  21. PHPの脆弱性対策について(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619:PHP2shell) — 独立行政法人情報処理推進機構(参照 2026-10-23)
  22. Wix プレミアムプランの料金 — Wix.com(参照 2026-10-23)
  23. Introducing the Wix Model Context Protocol (MCP) Server — Wix.com(参照 2026-10-23)
  24. Pricing — Netlify(参照 2026-10-23)
  25. Pricing — Vercel(参照 2026-10-23)
  26. microCMS MCP Server — 株式会社microCMS(参照 2026-10-23)
  27. Cloudflare Pages — Cloudflare(参照 2026-10-24)