ホームページ保守費用の相場は、制作会社の比較サイトや会計ソフト会社の解説記事では、月5,000円〜5万円程度とされています[1][2]。幅が大きいのは、何を任せているかが会社ごとに違うからです。2026年10月にはPHPの脆弱性(PHP2shell)について、IPAが注意喚起を出しました[3]。保守費を払っている会社も、払っていない会社も、「毎月の支払いで何が守られているのか」を確かめる時期です。
ホームページ保守費用の相場はいくらか
保守費用の相場を、根拠を示して出した調査は、2026年10月時点で見当たりません。参考にできるのは、制作会社の比較サイトや会計ソフト会社の解説記事です。
アイミツは自社の取引事例を5件載せていますが、目安の範囲をどう出したかは書いていません[1]。freeeは根拠を示していません[2]。相場として受け取るより、「月額で数千円から数万円まで幅がある」と読むのが正確です。
自社の保守費が高いか安いかは、相場と比べるより、契約書に書かれた作業の中身で判断してください。同じ月2万円(表1の目安の中ほど[1][2])でも、PHPの更新が入っている契約と、入っていない契約では、守られる範囲が違います。
保守費用の内訳
ホームページを維持する費用は、サーバー代、ドメインの更新料、更新作業、セキュリティ対策の4つに分けられます。前の2つは公式の料金で確かめられます。
エックスサーバーの月額は契約期間分を前払いした額を1か月あたりに直した数字です。ConoHa WINGの通常料金は使った時間で払う料金の月の上限です。キャンペーン価格はさらに下がりますが、期間が限られているため表には通常の価格を載せています。
金額の大部分を占めるのは、サーバー代ではなく更新作業とセキュリティ対策です。サーバー代は月1,000円前後から使えます(2026年10月23日時点の通常料金[4][6])。保守費が月1万円を超える契約では、差額の多くは人が作業する費用です。
月額に含まれる作業と別料金になりやすい作業
WordPressのサイトを保守するときに、毎月続く作業があります。WordPressの公式の手引きは、本体とプラグインを常に最新にすること、データベースを含めて定期的にバックアップを取ること、ログを確かめることを求めています[8]。IPAもサーバーのソフトウェアのバージョンアップと、ログの保管と定期的な確認を、運用管理の項目に挙げています[9]。
作業 | 月額に含める契約がある | 別料金にする契約がある |
|---|---|---|
WordPress本体・プラグインの更新 | ○ | |
バックアップ | ○ | |
動いているかの監視 | ○ | |
PHPのバージョンの切り替え | ○ | ○(動作確認が要る場合) |
文章や画像の差し替え | ○(月数回まで) | ○ |
ページの追加、デザインの変更 | ○ | |
攻撃を受けたあとの調査と復旧 | ○ |
この表は契約書を読むときの目安です。契約によって違うので、自社の契約書で確かめてください。とくに確かめてほしいのは、PHPのバージョンの切り替えです。WordPressやプラグインの更新は自動化できても、PHPのバージョンを上げるときは、サイトが動くかを人が確かめる作業が要ります。
契約を見直すときは、委託先に次の4つを聞いてください。答えが書面で返ってくれば、毎月の支払いで何が守られているかが分かります。
- PHPのバージョンを上げる作業は、月額に含まれていますか
- バックアップは何日ごとに取り、何日分を残していますか
- 攻撃を受けたときの調査と復旧は、月額に含まれていますか。別料金ならいくらですか
- 解約するとき、サイトのデータとドメインの管理権限を渡してもらえますか
制作会社がドメインやサーバーを自社名義で契約していると、別の会社に移るときに名義の変更から始める必要があり、手続きに時間がかかります。4つ目の答えは移るかどうかを決める前に受け取っておいてください。
WordPressの保守費を0円にできない理由
WordPressのサイトは更新を止めると攻撃の対象になります。そのため、保守費を払い続けるか、自社で更新を続けるかのどちらかが要ります。
2026年10月のPHP2shellは、WordPressではなくPHPを直す必要がある脆弱性でした[3]。2026年7月22日にはWordPress本体の脆弱性(wp2shell)の注意喚起が出され、米国CISAの悪用が確認された脆弱性の一覧にも載りました[10]。3か月で2回、外部から任意のプログラムを実行されるおそれのある脆弱性に対応したことになります[3][10]。詳しい中身と委託先への質問は「PHP2shellとは?自社サイトの確認と対処」に書きました。
PHPは毎年新しいバージョンが出て、それぞれのセキュリティ修正は約4年で終わります[11]。PHP 8.2のセキュリティ修正は2026年12月31日に、8.3は2027年12月31日に終わります[11]。WordPressは推奨でPHP 8.3以上を求めているため[12]、数年ごとにPHPのバージョンを上げ、サイトが動くかを確かめる作業が続きます。この作業がある限り、保守費を0円にはできません。
静的なサイトで0円になる費用と残る費用
ページを先にHTMLのファイルとして作って置いておく静的なサイトにすると、公開サーバーでPHPもデータベースも動きません。Cloudflare Pagesは無料プランでも静的ファイルへのアクセスを無料・無制限で扱います[13]。
費目 | WordPressのとき | 静的なサイトに移したあと |
|---|---|---|
サーバー代 | 月1,000円〜4,000円台(表2) | 0円(Cloudflare Pagesの無料プラン) |
PHP・本体・プラグインの更新 | 保守費に含まれる | 不要(公開側にない) |
SSL | サーバーの機能 | 0円(Cloudflareが自動で発行・更新) |
ドメインの更新料 | 年1,721円〜4,136円など | 今の登録先に払い続ける。サーバー会社のドメイン無料特典を使っている場合は、移したあと更新料がかかり始める |
文章や画像の差し替え | 保守契約か自社で管理画面から | ファイルを直して公開し直す作業が要る |
SSLの扱いはCloudflareのSSLの説明によります[16]。無料プランには、1サイト2万ファイル、月500回のビルド(公開のための組み立て)という上限があります[14]。会社案内のサイトなら、多くはこの範囲に収まります。移せるかを確かめるときに、ファイル数も数えます。仕組みと向かないサイトは「WordPress静的化とは?仕組みと向き不向き」で説明しています。
ドメインの特典には注意してください。エックスサーバーには、サーバーの契約中はドメインが無料になる特典があります[7]。この特典を使っている会社は、サーバーを解約すると、ドメインの更新料(.comなら年1,721円、.co.jpなら年4,136円の例[7])がかかり始めます。
残る費用で考えておきたいのは、文章を差し替えるときの手間です。静的なサイトには管理画面がないので、差し替えるにはファイルを直して公開し直します。自社でファイルを直せる人がいるか、年に数回なら制作会社にその都度頼むかを、移す前に決めておいてください。
5年間の費用で比べると、次のようになります。サーバー代を月1,100円(2026年10月23日時点のエックスサーバーの通常価格・税込[4])、保守費を月1万円(表1の目安[1])と置いた試算です。
WordPressのまま | 静的なサイトに移す(デザインはそのまま) | |
|---|---|---|
移行費用 | 0円 | 110,000円(税別10万円) |
サーバー代(60か月) | 66,000円 | 0円 |
保守費(60か月) | 600,000円 | 0円 |
合計 | 666,000円 | 110,000円 |
ドメインの更新料は特典を使っていなければどちらも同じなので除いています。移したあとの文章の差し替え費用と、メール用のサーバー代は含めていません。レンタルサーバーでメールを使っている会社は、メール用の契約が残ります。
保守費が月5,000円(表1の下限[1])の会社でも、サーバー代と合わせると5年で36万6,000円になります。毎月の支払いが月6,100円〜11,100円なくなるので、移行費用の11万円(税込)は10か月〜18か月ほどで回収できる計算です。
費用の経理上の扱い
ホームページの保守費やサーバー代は、毎月の費用として処理するのが一般的です。移行費用のような1回の支出が資産に当たるかどうかは、中身によって変わります。
資産に当たる場合の制度の例として、少額の減価償却資産の特例があります。青色申告をしている中小企業者等(資本金1億円以下で、常時使う従業員400人以下などの法人)は、令和8年4月1日以後に取得した40万円未満の減価償却資産を、事業年度ごとに合計300万円まで、その事業年度に一度に損金にできます[15]。改正前の基準は30万円未満でした[15]。処理の方法は支出の中身によって変わります。処理を決める前に、顧問の税理士に確かめてください。
AX総合研究所のWordPress移行サービス
AX総合研究所はWordPressのホームページを、見た目はそのままでPHPもWordPressも使わない作りに移し、Cloudflareで公開するサービスを提供しています。移したあとの毎月のサーバー代と保守費は0円です(2026年10月時点の料金。Cloudflareの無料プランの範囲[13][14])。ドメインの更新料は別にかかり、レンタルサーバーでメールを使っている場合は、メール用の契約が残ります。
内容 | 料金 |
|---|---|
毎月のサーバー代・保守費 | 0円(Cloudflareの無料で公開できるサービスを使う) |
移行費用(デザインはそのまま) | 10万円(税別・税込11万円)。今の見た目を再現して移す |
移行費用(デザインも新しく) | 20万円(税別・税込22万円)。移行と同時に作り直す |
移行の料金は固定の1回払いで、作業に追加の費用はかかりません。
含むものは文章と画像の移し替え、表示の確認、公開の切り替えまでです。含まないものは次の3つです。
- ドメインの更新料。今の登録先への支払いが続きます
- 移したあとの更新作業。文章の差し替えは自社で行うか、制作会社にその都度ご依頼ください。AX総合研究所では行いません
- メールの設定。メールは今の契約のままで、AX総合研究所は触りません。レンタルサーバーでメールを使っている場合は、メール用の契約が残ります
このサービスが向いているのは、次のような会社です。
- ホームページが会社案内と事業紹介を中心に構成されている
- 文章を差し替えるのは年に数回まで
- 保守費を払っているが、PHPの更新が含まれているか分からない
- 作った制作会社と連絡が取りにくくなっている
ネットショップや予約システムがあるサイトは、移せるかを個別に確かめます。ブログを頻繁に更新する会社は、WordPressのまま保守を続けるほうが合っています。
ご依頼の進み方は次のとおりです。ホームページのアドレスを送っていただき、移せるかと、10万円・20万円(2026年10月時点の料金)のどちらになるかをお知らせします。制作したものを公開前に見ていただき、公開を切り替えます。アドレスは変わりません。
まとめ
ホームページ保守費用の相場は2026年10月時点の解説記事で月5,000円〜5万円程度とされますが[1][2]、根拠を示した調査は見当たりません。自社の契約書で、PHPの更新が含まれているかをまず確かめてください。会社案内が中心で、文章の差し替えが年に数回までのサイトなら、静的な作りに移して毎月のサーバー代と保守費を0円にできます(ドメインの更新料は別)。移せるかどうかは無料相談からホームページのアドレスをお送りいただければ、お見積りとあわせてお返事します。
参考文献・出典
- ホームページ保守費用の相場 — PRONIアイミツ(参照 2026-10-23)
- ホームページ運営の維持費 — freee(参照 2026-10-23)
- PHPの脆弱性対策について(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619:PHP2shell) — 情報処理推進機構(参照 2026-10-23)
- 料金プラン — エックスサーバー(参照 2026-10-23)
- 料金 — エックスサーバービジネス(参照 2026-10-23)
- 料金 — ConoHa WING(参照 2026-10-23)
- ドメイン料金 — エックスサーバー(参照 2026-10-23)
- Hardening WordPress — WordPress.org(参照 2026-10-23)
- 安全なウェブサイトの運用管理に向けての20ヶ条 — 情報処理推進機構(参照 2026-10-23)
- WordPressの脆弱性対策について(CVE-2026-60137、CVE-2026-63030:wp2shell) — 情報処理推進機構(参照 2026-10-23)
- Supported Versions — The PHP Group(参照 2026-10-23)
- Requirements — WordPress.org(参照 2026-10-23)
- Pricing(Pages Functions) — Cloudflare(参照 2026-10-23)
- Limits(Pages) — Cloudflare(参照 2026-10-23)
- No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例 — 国税庁(参照 2026-10-23)
- Universal SSL — Cloudflare(参照 2026-10-23)
※料金・制度は2026年10月23日時点の情報です。レンタルサーバーとドメインの料金はキャンペーンや改定で変わるため、最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。経理の扱いは個別の事情で変わるため、税理士にご確認ください。


