Copilotアプリが無料かどうかを調べると、話が噛み合わない説明に行き当たります。無料だと書いてある記事と、1人あたり月数千円だと書いてある記事が並んでいるためです。どちらも誤りではありません。「無料のCopilot」が2種類あり、会社で使えるものと使えないものに分かれているからです。 ここを最初に分けます。
無料のCopilotは2種類あります
1つ目は、個人向けのMicrosoft Copilotアプリです。個人のMicrosoftアカウントでサインインして使います。Windows、macOS、iOS、Android、Webブラウザーから無料で利用できます[5]。
2つ目は、法人契約に含まれるMicrosoft 365 Copilot Chatです。こちらはMicrosoft Entraアカウント(会社のアカウント)で使います。
この2つは別物です。Microsoftの管理者向けドキュメントには次の記載があります[1]。
以前に共有していたCopilot in Windowsが削除され、Microsoft Copilot アプリは、Microsoft アカウントで認証されている個人ユーザーのみが使用できるようになりました。Microsoft Copilot アプリは、Microsoft Entra アカウントを使用して認証する商用ユーザーには機能しません。仕事や教育に Copilot を使用するユーザーは、Microsoft 365 Copilot アプリのCopilot Chatにアクセスできます。
会社のアカウントでは、無料の個人向けアプリは動きません。 「無料で使えるらしい」と聞いて社員に入れさせても、サインインできずに終わります。
個人向けの無料アプリでできること
まず個人向けの無料アプリを確認します。Windows版の説明には、次の機能が挙げられています[6]。
- Windowsショートカットキー(Copilotキー、またはWindowsキー+C)
- ウェイクワード(「Hey Copilot」)
- Copilot Vision
- ファイル検索
- スクリーンショットを撮る
- Webコンテンツの表示
- Windows設定のサポート
Copilot Visionについては「画面上で開いているブラウザー ウィンドウまたはアプリを確認し、質問に答えたり、段階的に何かを行うのを支援したりできます」と説明されています[6]。ファイル検索は「ほとんどのファイルの種類をサポートしており、.docx、.xlsx、.pptx、.txt、.pdf、.json ファイルを読み取ることができます」とされています[6]。
無料でここまで使えます。個人の作業では十分な場面もあります。ただし、会社の文書を扱うなら次の節が重要になります。
会社で追加料金なしに使えるもの
法人契約には、追加料金なしのCopilot Chatが含まれます。Microsoftは対象ライセンスを次のように案内しています[1]。
Copilot Chatは、次のいずれかのライセンスを持つアカウント ユーザー Entra追加料金なしで利用できます。
対象として挙げられているのは、Microsoft 365 Business Basic、Business Standard、Business Premium、Microsoft 365 E3/E5、F1/F3、Microsoft Teams各種、Office 365各種などです[1]。Business Basicを契約していれば、その時点で使えます。
できる範囲には線があります。Microsoft Learnは次のように説明しています[4]。
Copilot Chat (基本) は、対象となる Microsoft 365 ライセンスに含まれるスタンドアロンのベースライン エクスペリエンスです。主に Web データを使用し、組織コンテンツの使用を制限した、安全でエンタープライズ対応の AI チャットを提供します。Copilot Chat では組織のコンテンツを使用できますが、プロンプトとともにそのコンテンツを明示的に提供する必要があります。
同ページは、Copilot Chat(Basic)のライセンスでは「Word、Excel、PowerPoint、OneNote の Copilot にアクセスできません」とも書いています[4]。アプリの中では使えず、チャットの画面に資料を渡す形になります。
有料で増えるもの
有料のライセンスを足すと、アプリの中でCopilotが動きます。Microsoft Learnが挙げているアプリ内の機能は次のとおりです[4]。
アプリ | 公式の説明 |
|---|---|
Word | ドキュメントの下書き、書き換え、要約を行う |
Excel | データを分析し、分析情報を生成し、数式とビジュアルを作成します |
PowerPoint | プロンプトまたは既存のコンテンツからプレゼンテーションを作成したり、プレゼンテーションを要約したり、プレゼンテーションを編集したりできます |
Outlook | メールの下書き、スレッドの要約、コーチングのヒントを使用して、明確さ、センチメント、トーンを改善します |
OneNote | 下書きの計画、アイデア、リスト |
Teams | 会議の要約(最大30日間)と文字起こし、アクション アイテムのキャプチャ |
フォーム | 質問の下書きを作成して、アンケート、投票、その他のフォームを作成します |
もう1つの違いが、組織のデータを使えるかどうかです。上位のライセンスは「Web データと作業データ (Microsoft Graph と Work IQ) を使用して Copilot と安全に対話する」とされています[4]。メール、ファイル、会議、予定表を踏まえた回答が返ります。過去のやり取りを探して貼り付ける作業がなくなります。
Teamsの会議要約についてはAI議事録ツール比較でも扱いました。
料金
料金は2026年9月14日に公式ページで確認した表示です。ページに更新日の記載がないため、契約前に最新の表示を確認してください。
プラン | 年払い | 月払い |
|---|---|---|
Microsoft 365 Copilot Business | 1ユーザー 月3,148円相当 | 1ユーザー 月3,778円 |
Business Standard と Copilot Business | 1ユーザー 月3,523円相当 | 1ユーザー 月4,228円 |
Business Premium と Copilot Business | 1ユーザー 月4,797円相当 | 1ユーザー 月5,756円 |
Microsoft 365 Copilot(大企業向けページ) | 1ユーザー 月4,497円相当 | — |
いずれのページにも「価格には消費税は含まれていません」と明記されています[3][7]。
3点、読み間違えやすい部分があります。
1つ目は「月◯円相当、年払い」という表記です。実際の請求は年一括で、月払いは別の(高い)価格です[3]。
2つ目は割引です。ビジネス向けページには通常価格3,148円に対する割引価格2,698円の表示があり、「この割引キャンペーンは、2026 年 7 月 1 日から 2026 年 12 月 31 日まで利用できます」「プロモーション価格は初年度にのみ適用されます」と注記されています[3]。2年目からは通常価格です。
3つ目はSKUの違いです。中小企業向けのCopilot Businessと、大企業向けページのMicrosoft 365 Copilot(4,497円)は別の商品です[3][7]。Copilot Businessは「最大300ユーザー」という条件が示されています[3]。
前提条件もあります。Copilotはアドオンのため、対象のMicrosoft 365サブスクリプションが別に必要です[2][7]。Copilot Businessの対象は、Microsoft 365 Business Basic、Business Standard、Business Premium、Microsoft 365 Apps for businessです[2]。
入力したデータは学習に使われるか
会社で使うなら、ここが最も重要です。答えは契約の形で逆になります。
法人側は明確です。Microsoft Learnのエンタープライズ データ保護の説明には次の記載があります[8]。
データは基礎モデルのトレーニングには使用されません。Microsoft Copilot Chat はユーザーのコンテキストを使用して関連する応答を作成します。Microsoft Copilot は Microsoft Graph データも使用します。他の Copilot オファーと同様に、Microsoft Graph 経由でアクセスされるプロンプト、応答、データは基礎モデルのトレーニングには使用されません。
同ページは「データは非公開です。お客様の指示がある場合を除き、お客様のデータは使用されません」とも書いています[8]。この保護は、Copilot Chat(Basic)の段階から適用されます[4]。
個人アカウント側は書き方が違います。プライバシー制御の説明ページは、まず適用範囲を断っています[9]。
この記事では、個人の Microsoft アカウントでサインインした場合の Microsoft Copilot の使用に関連するプライバシーと安全性に関するトピックについて説明します。職場または学校アカウント (Entra ID) でサインインした場合の Microsoft 365 Copilot の使用には適用されません。
そのうえで、会話をモデルのトレーニングに使うかどうかを利用者が設定で制御できるとし、「オプトアウトすると、今後の会話アクティビティがこれらの AI モデルのトレーニングに使用されなくなります」と説明しています[9]。既定でオプトアウトされているとは書かれていません。
つまり、個人アカウントの無料アプリに会社の資料を入れるのは避けるべきです。社内での扱いの決め方は生成AIの情報漏洩対策にまとめました。
どちらを選ぶか
判断は3段階で決まります。
- Microsoft 365を契約しているか。契約していれば、Copilot Chatは今日から追加料金なしで使えます[1]
- WordやExcelの中でCopilotを動かしたいか。必要なら有料のアドオンです[4]
- 社内のメールやファイルを踏まえた回答が必要か。必要なら上位のライセンスです[4]
まずは追加料金なしのCopilot Chatを使ってください。 1か月使えば、アプリの中に入れる必要があるかどうかが判断できます。全社で一斉に有料化する前に、数人で試す順番のほうが失敗が小さくなります。
なお、2026年内に名称の変更が入っています。Microsoft 365 CopilotがMicrosoft Copilotに、Microsoft 365 Copilot ChatがMicrosoft Copilot Chatになったという記載が公式ドキュメントにあります[8]。販売ページには旧名が残っており、2026年9月14日時点では両方の表記が混在しています。検索するときは両方の名前で探してください。
まとめ
Copilotアプリが無料かどうかの答えは、使うアカウントで決まります。個人のMicrosoftアカウントなら無料のアプリが使えます。会社のアカウントでは、そのアプリは動きません[1]。
会社で使う場合の無料は、Microsoft 365に含まれるCopilot Chatです。Wordなどアプリの中で使うには有料のアドオンが必要で、年払いで1ユーザーあたり月3,148円相当(税抜)からです[3]。
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※内容は2026年9月14日に参照したMicrosoftの公式ページおよび公式ドキュメントの記載に基づきます。価格ページとサポートページには更新日の表示がないため、契約前に最新の記載を確認してください。価格はすべて税抜表示です。
参考文献・出典
- Microsoft 365 Copilot Chatの管理 — Microsoft Learn(更新 2026年8月12日)(参照 2026-09-14)
- Microsoft Copilot のライセンス オプション — Microsoft Learn(更新 2026年8月20日)(参照 2026-09-14)
- Microsoft 365 Copilot プランと価格 – ビジネス向けのAI — Microsoft(参照 2026-09-14)
- Microsoft Copilot とは?(組織に適したCopilotを決定する) — Microsoft Learn(更新 2026年9月10日)(参照 2026-09-14)
- Microsoft Copilot で作業開始 — Microsoft Support(参照 2026-09-14)
- Windows で Copilot を使ってみる — Microsoft Support(参照 2026-09-14)
- Microsoft 365 Copilot プランと価格 – 大企業向けのAI — Microsoft(参照 2026-09-14)
- Microsoft Copilot および Microsoft Copilot Chat におけるエンタープライズ データ保護 — Microsoft Learn(更新 2026年8月29日)(参照 2026-09-14)
- プライバシー制御の Microsoft Copilot — Microsoft Support(参照 2026-09-14)


